光市民ホール名画劇場

光市民ホール名画劇場
開催日時
2023年2月4日(土) 10:00 ~ 11:52 (貸間あり)
2023年2月4日(土) 12:30 ~ 14:07 (本日休診)
2023年2月4日(土) 14:30 ~ 16:20 (幕末太陽傳)
2023年2月5日(日) 10:00 ~ 11:37 (本日休診)
2023年2月5日(日) 12:30 ~ 14:22 (貸間あり)
2023年2月5日(日) 14:40 ~ 16:10 (女は男のふるさとヨ)
会場
  • 小ホール
主催
  • (公財)光市文化振興財団
  • 国立映画アーカイブ
入場方法
一般 500円/1日
文高会員 400円/1日
障がい者 400円/1日
全席自由
プレイガイド
光市民ホール
光市文化センター
光ふるさと郷土館
光市役所(受付)
スターピアくだまつ
周南市文化会館
お問い合わせ
光市民ホール
12月3日(土)チケット発売
*入場券1枚で3本ご覧いただけます。ただし入場当日のみ有効です。


⾵俗喜劇に重喜劇、ユーモアあふれるコメディ──さまざまな笑いで見るものを楽しませてきた喜劇映画の代表作4本を紹介します。
現在では数少ない35ミリフィルムでの上映です。



本日休診
1952年 松竹(大船) 白黒 スタンダード モノラル 97分

井伏鱒二の同名小説と「遥拝隊長」の二つの短篇をもとに、ベテランの斎藤良輔がシナリオを書いた風俗喜劇。ある町の老医師・三雲八春は、院長を甥の伍助に譲って一年目。今日は本日休診の札を掲げて、院長を始め看護婦たちを慰安旅行に出してやった。そんな居残りの彼のもとに、次から次へと突飛な事件が舞い込んでくる。新人・三国連太郎が演じた、戦地で頭に負傷したことから発作的に軍隊時代に逆戻りする青年の姿は、見るものに強い印象を残す。監督の渋谷実は、松竹で成瀬巳喜男や五所平之助らの助監督を務め、戦後獅子文六原作の風俗喜劇で監督としての地位を確立、『現代人』(1952)など社会派ドラマでも知られる。ドライな感覚に鋭い風刺を盛り込んだ作風は、この群像喜劇にも存分に活かされている。「キネマ旬報」ベストテン第3位。


幕末太陽傳
1957年 日活 
白黒 スタンダード モノラル 110分

金もないのに品川遊廓でお大尽遊び、やむなく居残りとなったが遊廓の人気者として要領よく生きてゆく男の姿を描いた時代劇コメディ。その物語の核となったのは「居残り佐平次」をはじめ「芝浜の革財布」や「品川心中」といった古典落語ネタである。監督の川島雄三は、この他にも『愛のお荷物』 (1955)や『貸間あり』(1959)といったテンポのいい喜劇を連発したが、演出家としての幅は広く、男女関係のもつれをめぐるメロドラマなどにも秀作を送り出した才人である。フランキー堺扮する居残り佐平次は、軽妙な味を見せながらも実は胸を病んでいるという設定であり、その姿には川島監督が一貫して作品に投影してきた底深い虚無を垣間見ることができる。また共演者として、日活のトップ・スターになる前の、時代劇初出演の石原裕次郎が、佐平次と同宿して一騒動を起こす勤皇の志士高杉晋作を若々しく演じている。「キネマ旬報」ベストテン第4位。


貸間あり
1959年 宝塚映画 白黒 シネマスコープ モノラル 112分

45歳で世を去った川島雄三監督が晩年に籍を置いた東京映画時代の代表作であり、喜劇映画作家としての稀有な才能を存分に発揮した快作でもある。井伏鱒二の原作を、当時駆け出しのシナリオライターであった藤本義一と川島が奔放に脚色。遥か通天閣を見渡す大阪・天王寺の夕陽ヶ丘に立つ風変わりなアパートに暮らす、奇妙な住人たちの生態を、下品さと紙一重の人間臭い猥雑さのなかに描いている。何につけても器用で人から頼まれたら断れない性格、そのくせ素直になることを恥じて逃避してしまうフランキー堺演じるインテリの主人公は、まさに川島監督の自画像と言えるだろう。熟練のバイプレーヤーたちが、怒涛のように畳み掛けるアンサンブルも圧巻。この時代、川島監督とのコンビが多かった名手・岡崎宏三のキャメラが、破天荒なドラマを端正な画面のなかに収めている。


喜劇 女は男のふるさとヨ
1971年 松竹 カラー シネマスコープ モノラル 90分

松竹の喜劇「女」シリーズの第1作。東京新宿でストリッパーを斡旋する芸能事務所には、身寄りがなく、貧しいけれども逞しいダンサーたちが、人情に厚い経営者夫婦の「家族」として住んでいた。ふとしたトラブルから旅回りを決意したダンサーと、彼女を真面目に慕うひとりのファンが、改造した自動車で日本列島を南へと向かう。この作品を演出した森崎東は、庶民の生活からにじみ出る人間臭いエネルギーを笑いとともに描くことに優れた監督で、この映画の脚本は、松竹大船撮影所の先輩である山田洋次と組んで執筆した。このシリーズは、逆境にめげない逞しい女性像と不器用な生き方しかできない男性たちを対比させながら、こうした新しい「家族」の形を示すことで松竹ホームドラマの伝統を引き継いだとも言えるだろう。この映画のヒットに続いて『喜劇 女生きてます』(1971)や『喜劇 女売り出します』(1972)などの力作を送り出している。