優秀映画鑑賞推進事業 光市民ホール名画劇場

優秀映画鑑賞推進事業 光市民ホール名画劇場
開催日時
2026年2月14日(土) 10:00 ~ 11:49 (Wの悲劇)
2026年2月14日(土) 12:30 ~ 14:19 (ニンゲン合格)
2026年2月14日(土) 14:40 ~ 16:26 (つぐみ)
2026年2月15日(日) 10:00 ~ 11:50 (どついたるねん)
2026年2月15日(日) 12:30 ~ 14:19 (Wの悲劇)
2026年2月15日(日) 14:40 ~ 16:29 (ニンゲン合格)
会場
  • 小ホール
主催
  • (公財)光市文化振興財団
  • 国立映画アーカイブ
特別協力
  • 文化庁
    (社)日本映画製作者連盟
    全国興行生活衛生同業組合連合会
    松竹株式会社
    東宝株式会社
    東映株式会社
    株式会社KADOKAWA
入場方法
一般 500円/1日
文高会員 400円/1日
障がい者 400円/1日
全席自由
プレイガイド
光市民ホール
光市文化センター
光ふるさと郷土館
光市役所(受付)
スターピアくだまつ
周南市文化会館
お問い合わせ
光市民ホール
12月13日(土)チケット販売開始
*入場券1枚で3本ご覧いただけます。ただし入場当日のみ有効です。


現在も多⽅⾯で活躍し⼈気を集める俳優たちが、1980年代から1990年代に出演した名作を紹介。
現在では数少ない35ミリフィルムでの上映です。



Wの悲劇
1984年 角川春樹事務所 カラー/アメリカン・ビスタ モノラル/109分

デビュー作『野生の証明』(1978、佐藤純彌監督)で13歳にして一躍トップアイドルになった薬師丸ひろ子が、感情の微妙な動きまで熟視した長回しによる演出のなかで、大人の役者への新境地を開いた作品。その年の映画賞を多数受賞し、澤井信一郎監督の代表作にもなった。劇団の若い研究生が、看板女優からスキャンダルの身代わりを引き受けたことから、舞台「Wの悲劇」の主役の座を得る。夏樹静子の原作を劇中劇にし、薬師丸ひろ子とヒロイン、ヒロインが演じる劇中劇の少女の三者を重層化した脚本の妙や、蜷川幸雄をはじめ多数の演劇人や芸能リポーターの梨元勝らの登場など、虚構と現実を融合させた濃密な演出が高く評価された。薬師丸ひろ子が歌う主題歌も大ヒットした、1980年代日本映画を代表する一本。


どついたるねん
1989年 荒戸源次郎事務所 カラー/ヨーロピアン・ビスタ モノラル/110分

「浪速のロッキー」との異名をとったプロボクサーの赤井英和が、映画初主演した作品。プロボクサーの安達は試合で頭部に瀕死の重傷を負い、ドクターストップにより引退に追い込まれる。リングへの執着が捨てられない安達は、割り切って指導者になることもできず、無謀にも選手復帰を目指す。本作で監督デビューした阪本順治監督は、赤井の飾らない魅力と、コーチを演じた原田芳雄の緩急自在の演技を掛け合わせ、唯一無二のボクシング映画を世に送り出した。赤井の実際の現役最後の対戦相手である大和田正春も友情出演。赤井はその後も、阪本監督の『王手』(1991)などの映画や、数々のテレビドラマに主演し、俳優として活躍し続けている。ちなみに、本作は移動式のドーム型映画館での上映という特殊な興行形態で公開された。


つぐみ
1990年 松竹富士=FM東京=山田洋行ライトヴィジョン カラー/アメリカン・ビスタ モノラル/106分

吉本ばななの小説『TUGUMI』の映画化で、牧瀬里穂が同年の映画デビュー作『東京上空いらっしゃいませ』(相米慎二監督)とあわせて、各映画賞の新人賞を独占した思春期映画の秀作。老舗旅館を営む両親のもとに生まれたつぐみは、病弱な体質ゆえに甘やかされて育ち、その傍若無人ぶりは家族を困らせていた。従姉妹のまりあ、姉の陽子とともに過ごすことになった18歳の夏、つぐみはある出来事をきっかけに恭一という青年と出会う。まりあ役の中嶋朋子、恭一役の真田広之や、あがた森魚、財津和夫、髙橋源一郎といった個性豊かな俳優陣のなかでも、不機嫌な表情が印象的なヒロインを演じた牧瀬里穂の強烈な存在感が光る。監督の市川準も本作で数々の映画賞に輝いた。


ニンゲン合格
1999年 大映 カラー/アメリカン・ビスタ ドルビーSR/109分

『ドライブ・マイ・カー』(2021、濱口竜介監督)で、全米批評家協会賞主演男優賞に輝くなど、世界的にも注目を集める西島秀俊の27歳のときの主演作。西島演じる豊は、中学生の時に遭った交通事故による10年間の昏睡状態から奇跡的に目覚める。しかし、家族は離散しており、父の大学時代の友人で、廃棄物回収業者の岩雄が面倒をみることに。豊はもう一度みんなで暮らすことを求め、家族で開いていたポニー牧場を再建しようとする。スリラーやアクションの斬新な演出が評価されていた黒沢清監督による、初の本格的な家族ドラマ。人物が壁の染みのように見えるまで照明を抑えたシーンなど、冒険的な演出が冴える。人間がそこに存在していること自体の不思議さと不気味さにまで立ち戻り、家族の意味を根源的に問い直した一本。